ナスは夏野菜に入りますが、美味しい時期は秋ですね。秋ナスのことわざに、「秋ナスは嫁に食わすな」というのがあります。解釈としては、「余りにも秋ナスが美味しいので嫁には食べさせたくない」という姑さんの意地悪を表現したものと言われています。けれど一方で、「秋ナスは体を冷やすから」というお嫁さんを気遣う気持ちだとも・・・。実際どちらが正解なのか定かではありません。今回は、ことわざになるほど注目されているナスの栄養成分と効能を調べていきましょう。

ナスってどんな野菜?
インドが原産であるナスは、中国を経て日本にやってきた野菜です。ナスも年中販売されているイメージがありますが、旬は7月~9月です。ナスの下ごしらえとして大事なのはあく抜きで、切ってから少し水に浸しておきます。ナスのアクは強く、切ったまま放置すると直ぐに茶色くなってしまいます。変色したナスは、見た目だけでなく味にもダメージを与えます。
ナスの主成分はほとんど水分なので、「栄養なんてない」と思われがちです。けれど案外効果的な栄養成分が含まれているのです。
ナスの栄養成分と効能
■ナスニン/アントシアニン
ナスにはナスニンと言われる栄養成分が含まれています。これは鮮やかな紫色を作る成分で、アントシアニンが元になっています。アントシアニンはポリフェノールの一種で、抗酸化力など様々な効能があります。血液をサラサラにし、動脈硬化などの生活習慣病の改善に役立ちます。ナスにナスニンなんて面白くて覚えやすいですね。
■カリウム
ナスにはカリウムも多く含まれ、体内の余分な老廃物の排出を促しています。カリウムが不足すると、顔や足がむくむ原因となり適度に摂取しなければなりません。
■鉄分
ナスに含まれている鉄分は、血液中で赤血球のヘモグロビンとなり体内に酸素を運んでいます。鉄分が不足すると、目まいや息切れが起こり貧血状態になります。特に女性には欠かせない栄養成分です。
■食物繊維
食物繊維も含まれている為、腸内環境を整えてくれる作用があります。又肌を健やかにし、美肌効果も得られます。
ナスの主な種類
ナスには色々な種類や品種があって、国内だけでも180種類以上あります。調理の方法によって使う品種は変わり、其々煮る、焼く、揚げる、漬物にするなど向いているものが違います。食材をより美味しくするには、その食材の特徴を知っておかなければなりません。それでは、主なナスの品種を見てみましょう。
🍆 長ナス
・サイズ:20~25cm
・産地:東北、九州
・特徴:皮は硬いめですが、果肉は柔らかいので焼きナスに向いています。
🍆 中長ナス
・サイズ:15cm前後
・産地:全国、関東が中心
・特徴:最も多く出回っている品種です。煮て良し焼いて良しの万能型で、漬物にも向いています。
🍆 水ナス(卵型ナス)
・サイズ:15cm前後
・産地:大阪泉州
・特徴:生でも食すことができるのはこのナスくらいです。浅漬け用で人気があり、アクが少なく甘みのある水分が多い。
🍆 丸ナス
・サイズ:直系10cm位
・産地:京都の加茂ナスが有名
・特徴:球形で果肉も硬く煮崩れしない。柔らかな肉質なのでよく田楽にされます。
🍆 米ナス
・サイズ:10cm強
・産地:中国(アメリカで改良)
・特徴:加茂ナスに似ていて、様々な料理に向いています。
🍆 小ナス
・サイズ:3cm位
・産地:京都、山形
・特徴:山形の出羽小ナスは有名で、煮物に向いています。

ナスをもっと知ろう!
ナスを美味しく食すには?
- まず艶とハリのある重量感のあるものを選びましょう。皮にハリがなく、ガクの部分が変色しているものは古い可能性が高いです
- 保存する場合は、ヘタの部分を含め全体にラップをし野菜室に入れましょう。
- 野菜室で保存するのは3~4日程度にして食べきりましょう。
- ナスは油との相性がとても良いので、切り目を入れ炒めるだけで美味しく頂けます。
ナスニンは煮たり、焼いたりすると水に溶けたり分解されたりします。健康効果を期待するなら揚げることが最も効果的な調理法です!
ナスの効能
🍆抗酸化作用
身体には活性酸素という有害な成分があって、免疫力の低下や老化を引き起こします。ナスの成分ナスニンは、この有害成分の働きを減少させます。つまり抗酸化作用で、身体を守り肌の老化を抑えます。
🍆 ガン予防
ナスニンの働きで活性炭素を抑制し、ガンを予防する効果があると言われています。
🍆 デトックス効果
カリウムの成分で肝臓機能を促進し、体内を浄化する為デトックス効果が期待できます。
🍆 コレストロール値低下
ナスニンによりコレストロール値を下げ、生活習慣病の予防に役立ちます。

簡単!秋茄子レシピ
茄子と豚肉 の梅ポン酢和え

【材料】2人分
豚こま肉・・・100g
茄子・・・3本
片栗粉・・・大さじ1
*ポン酢・・・大さじ2
*梅ぼし・・・1~2粒
大葉・・・お好み
白ごま・・・お好み
【作り方】
①ボウルに*を入れる。(梅はちぎって入れてください)
②豚肉をボウルに入れ、片栗粉をまぶす。
③茄子を乱切りにし、多めの油で炒め(揚げ焼き)、①に入れる。
④豚肉を炒める。(茄子を炒めたフライパンをそのまま使用)
⑤火が通ったら①に入れる。
⑥さっと絡めて大葉と白ごまをのせて完成。
茄子は炒め物だけでなく、お味噌汁などでも美味しいですよね!
これからの季節、美味しく栄養たっぷりの秋茄子を楽しみましょう。
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